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警察統計の見方   

冒頭から脱線しますが、本日は日経平均株価がバブル後最安値を下回ったのがニュースになっていて、号外も出たようですね。

その日経平均株価、東証一部上場上場企業約1700社のうちから225社をピックアップして算出しますが、その225社(銘柄)は、ほぼ毎年見直しがされて入れ替えられています。
つまり、指数の計算の元となる企業が入れ替わっていて、特に2000年には30銘柄を一気に入れ替えたりしたため、データとしては「不連続」なんですよね。ですから、「26年ぶりの最安値」という報道もありますが、本来、そんな昔の数値と単純に比較できるものではないハズなんです。
まぁ、でもTOPIXも下がってますから、大変な安値であることには違いありませんが。


不連続なデータといえば、警察の犯罪統計にも同じことが言えるようです。

例えば、「オヤジ狩り」はそれまで「恐喝」として扱われていたものが1997年から「強盗」として処理されるようになったり、「窃盗」扱いであった「ひったくり」も荒っぽいものは「強盗」扱いになったりしているそうですから、単純に強盗件数の変化を見て増えた・減ったと一概には言えないそうです。

そして同様に警察統計に大きな影響を与えるのが、警察の活動方針だそうです。

前回紹介したグラフのような警察統計を見るときには、その点を考慮する必要があります。

■桶川ストーカー事件を境に転換した警察の活動方針

被害者が身の危険を感じて警察に相談・告訴状を提出していたにもかかわらず、捜査が行われなかった結果、殺人事件となってしまった桶川ストーカー殺人事件。この時、警察の不手際や怠慢には相当な非難が浴びせられました。それが1999年のこと。前回紹介したグラフで、認知件数が急増する前の年のことです。

1999年12月16日に、「女性・子どもを葵施策実施要項の制定について」という通達が出されており、夫婦間・親子間の暴力事案、ストーカー等対応が困難となる事案について積極的対応をするように指示がされている。
さらに翌2000年4月に「告訴・告発の受理・処理の適正かと体制強化について」という警察庁刑事局長通達が出された。

同年8月には「警察改革要綱」が国家公安委員会・警察庁から示され、国民の要望・意見の把握と誠実な対応が求められている。
これらはいずれも、警察に持ち込まれる困りごと相談や、事件通報に対する積極的対応を求めたものである。

犯罪不安社会』P.25
その結果、1999年から2000年にかけて、ストーカー事案の検挙件数が暴行・傷害において22件から216件に増加、強姦は0件から15件、住居侵入も16件から124件に急増

他にも、
2000年11月22日には、警察庁生活安全局長・長官官房長名で「警察安全相談業務にかかわる関係機関、団体との連携の推進について」ちおいう指示が出され、警察に持ち込まれる相談事案については、その内容のいかんにかかわらず、すべて受理し、国民の安全にかかわる問題が認められる事案は、適切な対応措置を講ずるように指示されている。

犯罪不安社会』P.26
ということがあったようで、2000年から暴行・傷害事件の認知件数が急増したのは、警察が桶川ストーカー事件で受けた批判を真摯に受け止め改善に努力した結果が大きいと言うことのようです。つまり、認知件数増加イコール犯罪の増加ではないということになります。


■検挙率急減の理由

犯罪認知件数が増加すれば、、限られた人的資源で操作を行わなければならない以上、検挙率の低下は想定されることです。

そしてさらに、1999年までにほぼ横ばいだった「警察安全相談(困りごと相談)」が2000年から急増しているとのこと。
1996年~99年までは30万件台だったものが、2000年には一気に70万件超、2002年には100万件突破、2004年には180万件に達しています。

これは、相談しなければならないような事件が増えたのではなく、相談受理体制の拡充と相談窓口利用に関する広報が、相談件数の増加につながったということのようです。つまり相談受け入れ体制の強化が潜在事件の発掘に貢献、認知件数が増加、という構図です。

性犯罪についても、事情聴取を女性警察官が行うようになったり、専用相談電話を設置したり、という施策が行われており、潜在事件が顕在化しやすい環境になりつつあります。


もうおわかりかと思いますが、前回紹介したグラフは、治安の悪化を示すものではなく、警察の活動方針の変化と努力が反映したものと捉える方が妥当と言うことです。

では、治安は悪化していないのかというと、「治安」の定義にもよりますが、それは警察統計数字だけで把握するのは難しいと言うことですね。

ただ、潜在化しにくい殺人事件で殺された人数の推移を見てみると10年前から減少傾向が続いているようです。
(参考:社会実情データ図録:他殺による死亡者数の推移

もっとも、殺人事件の被害者がすべて死に至るわけではないので、これだけで治安が良い方向に向かっていると断定するわけにはいかないのですが。


■参考リンク

犯罪統計の信頼性と透明性 (PDF)


■参考書籍

犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)
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