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久々の更新。「核家族」はいつの時代から?   

仕事やらなにやら色々と忙しかったので更新が滞っていましたが、ようやく少し落ち着いてきたので、またぼちぼち書いていきたいと思います。

さて、つい先ほどのことですが、テレビ朝日のワイドショーで「昭和都市伝説の謎」と題して「口裂け女」がどのように生まれ、どのように全国に広まっていったのか、というのをやっていました。

そのなかで、唐沢俊一氏がインタビューで「個の時代となり、孤独感を感じる人が増えた社会背景の中で、こういう怪談話は『わ~、こわい』という感情と情報を共有することで連帯感を感じることができた・・・」(※) というようなことを語っていました。


それを受けた直後のナレーションが、「1970年代、核家族が生まれ、個人主義が広まる社会背景の中、云々」・・・。 (※)


えーっと、その「核家族」なんですが、大正時代にはすでに多かったみたいですよ。

核家族世帯は1920(大正9)年の第1回国勢調査時点でも、全世帯の半数を超えていた。

「平成18年版 少子化社会白書」 (コラム)核家族はいつの時代から存在したか


こちらのデータでは、1920年は54.0%、1965年で62.6%、2000年では58.4%と増減はあるものの一貫して50%を超えていますから、「戦後になって核家族が生まれた」というイメージは正確ではないと言っても差し支えないでしょう。

また、「大正デモクラシー」という本には、次のようにあります。

1925年2月の『主婦之友』を開いてみよう。
(中略)
『主婦之友』には、毎号のように子ども服の作成法が掲げられ、食事の献立は四人前が標準とされる。
夫婦と子どもの核家族が念頭におかれた紙面作りである。

(P.171~ )
ご存じの方も多いと思いますが、この『主婦之友』(主婦の友)という雑誌、今年(2008)に休刊になったそうですね。
1917年(大正6)創刊ですから、90年を超える長寿雑誌です。

1920年代後半には20万部以上の発行、さらに当時は回し読みや夜店で月遅れのバックナンバーが売られていた(P.174)そうですから、主婦層の読者は多かったようです。そういう雑誌が当時から読者層として核家族をターゲットにしていたという事実は興味深いです。

とはいえ、「核家族はいつの時代から存在したか」では、
近隣に血縁者が存在しない孤立した核家族という点で、古来の核家族とは性格を異にしており、孤立した子育てなど新たな課題を抱えている。
とも言及されており、統計数字だけでは判断できない部分があるので安易な判断は禁物です。

(・・・ところで、二世帯住宅は「核家族」世帯にカウントされるのかな?)


話を戻しますが、冒頭に紹介した唐沢俊一氏のコメントも、ひとりの人間が持っている意見やイメージとしてはなんら問題はないのですが、それがある程度の著名人の発言としてマスコミで流され、それを補うようにナレーションが流れれば、それだけであたかも確定した「事実」のように受け止めてしまう人は少なくないのでしょうね。

というわけで、都市伝説を解明するつもりのTV番組が、「戦後、核家族が生まれた」という都市伝説(?)を広めているようという話でした(笑)


なお、余談となりますが 『主婦之友』の記事として興味深いものをもうひとつ紹介しておきます。
「夫婦の和合」に重大な関係を持つものとして「夫婦の性的生活」を挙げ、「夫婦不和」の原因の大部分は、「性的生活の不完全」でもあるという。
(小酒井不木「性的生活から観た夫婦和合の秘訣」1927年5月)

(P.172 )
と、セックスレス(?)も大正時代から話題だったようで。


※録画したわけでもないので、あくまで「こんな様なことを言っていた」という私の記憶によるものです。


■参考リンク
「平成18年版 少子化社会白書」 (コラム)核家族はいつの時代から存在したか

■参考書籍
大正デモクラシー (岩波新書 新赤版 1045 シリーズ日本近現代史 4)
大正デモクラシー (岩波新書 新赤版 1045 シリーズ日本近現代史 4) 成田 龍一

おすすめ平均
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stars一読の価値あり

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コメント

ご無沙汰しています

 最近は、ネットよりリアルの活動に時間が食われております(*´д`*)アハァ
>1970年代、核家族が生まれ、個人主義が広まる社会背景の中、云々
・私の場合感覚ですが、核家族と個人主義に関連がどれほどあるのかと思います。
 時代劇の「長屋」も核家族が多く無かったですかね?
 寧ろ現代の方が家庭内に寄生したりして、核家族にならない傾向もある方面では有りそうだしな。
 ひょっとしたら昔の方が婚姻年齢が若く独立も早かったようにも思えるし、仰るように、2世帯住宅や同一マンション内別室、スープの冷めない距離別居をどこまで「核家族」と言うのだろう?
 「核家族」そのものよりも、「ご近所付き合い」が減っている様な気がして「世代間知恵伝達」とでも言うべきものが減って要るのは確かなような気はします。
 久しぶりに来て、また変な事吐いてしまいました。
 ご容赦ください。

■tonoさんへ

こちらこそご無沙汰しております。
私も忙しさやblogへの想いなどいろいろ変化がありまして、最近は人様のblogもあまり目を通すことが出来ないでおります。

で、このエントリーなんですが、外出前にテレビを見ていて思いついたことを書き散らした感じなので、今読み返すとかなり言葉足らずだなぁと反省しております。

書いていただいたことは私の感覚にも近いですね。確かに時代劇の長屋は核家族ですし。

データを引用した「核家族はいつの時代から存在したか」でも指摘されていることですが、統計的に核家族の比率は変わっていなくても、核家族を取り巻く周辺状況は変化してきており、いわゆるスープの冷めない距離か、飛行機・新幹線に乗らないとあえない距離なのかという差は大きいと思います。

会社員であっても、昔より転勤は多いような気もしますし。
以前、同僚の女性が妊娠を機に退職が決まった直後に旦那の転勤が決まり、初めての出産という不安な時期に知り合いが1人も居ない土地に引っ越すことになって、彼女が気の毒でなりませんでした。
所帯としては核家族であっても、近隣に血縁者が居なくて近所づきあいもこれからどうなるか判らないと言う状況は、昔はあったのだろうか?と思いましたね。
もちろん調べてみないと何とも言えませんが。

話がずれてしまいましたorz

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