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日中戦争の時代-1   

1937年7月7日の盧溝橋事件から始まる日中戦争(支那事変)は、本当にどう解釈した良いのか難しいと思います。日米開戦の原因ともなっている問題なのに、なぜあのようなことになったのかが、実にわかりにくい。

日本軍が占領した地域や行われ残虐行為だけを見れば、侵略戦争と言い切ることもできるが、開戦のきっかけそのものについては、あれだけの地域を具体的に侵略するプランがあったわけでもない。


そんなわかりにくい日中戦争について、先日「反軍演説」について引用した井上寿一著「日中戦争下の日本」という本から、ヒントになりそうな部分を引用しておきたいと思います。

 

 

 

■日中戦争とは何だったのか?

<日中戦争とは何だったのか?>本書は「日中戦争が日本社会の変容に及ぼした影響」を明らかにすることによって、この問いに答える試みである。

私たちはこれまで何度も<日中戦争とは何だったのか?>を問いなおしてきた。また今も問いなおしている。その結果、私たちは、何らかの合意できる結論に達することができたのだろうか。

たとえば盧溝橋事件である。1937(昭和11)年7月7日、北京郊外の盧溝橋で起きた日中両軍の軍事衝突を直接のきっかけとして、日中全面戦争が勃発する。私たちは、この事件をどう評価すべきなのか。

日本の中国侵略を強調する立場からすると、盧溝橋事件によって戦争が全面化したのは、満洲事変以来の必然の勢いだった。

他方でこの事件の偶発性を重視する立場は、「戦争の拡大は、避けることができた」と主張している。

問題は、盧溝橋事件に関する事実関係を明らかにすることに止まらない。評価が対立しているのは、戦前日本の自画像が分裂しているからである。


一方の描く自画像は、対外侵略に明け暮れ、民主化が遅れた国としての戦前日本である。この立場からすれば、1930年代の日本は、暗黒時代の「ファシズム」国家である。「ファシズム」国家=日本は、必然的に満洲事変から日中全面戦争へ侵略を拡大したことになる。

他方では、戦前の日本を非西欧世界で最初に近代化に成功した栄光の歴史を持つ国として肯定する立場がある。これらの人びとは、日中戦争の拡大を偶発的な日本の逸脱行動と理解し、戦争拡大の責任を中国側に求めている。


これら二つの立場は、過去約10年の間、「歴史教科書論争」を展開してきた。しかし、二つの自画像が重なり合うことはなかった。<日中戦争とは何だったのか?>この問いに私たちは依然として、明確な答えを出せないでいる。


しかも歴史解釈をめぐる問題は、外交問題にまで発展することがある。この問題が国際問題化し、2005年に近隣諸国の反日デモを引き起こしたことは、私たちの記憶に新しい。

私たちは、日中戦争を、純粋にアカデミックな問題として論じることができない。過去は未来を規定する。日中戦争をどう理解するかは、これからの日中関係、ひいては近隣諸国関係をどうするか、その政策選択の範囲を設定するからである。

歴史解釈の問題と現実の外交の問題とが相互規定的な関係にあるのだとすれば、私たちは価値中立的な立場を装って、この問題から距離を置くのではなく、<日中戦争とは何だったのか?>、その答えを追求しなくてはならない。

日中戦争下の日本」(P.5~)

次回もこの本から引用を続けます。


■関連エントリ

・日中戦争の時代-1
日中戦争の時代-2
日中戦争の時代-3 (労働組合が望んだ白米食禁止と格差是正)


■参考書籍
日中戦争下の日本 (講談社選書メチエ)
日中戦争下の日本 (講談社選書メチエ) 井上 寿一

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