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前回のクイズの答え(と、確証バイアスと歴史認識)   

遅くなりましたが、前回のエントリーで紹介したクイズの解説です。

実はこのクイズ、認知心理学の分野では「4枚カード問題」として有名なのだそうです。
(ネットでも"4枚カード問題"で検索すれば沢山あります)

正解率がかなり低くなることでも有名で、引用した「超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ」には、イギリスの大学生を対象にした調査ではわずか4%だったと書かれていました。
また、論理を扱う専門家のはずの科学者や数学者でも、間違える人が少なくないそうです。



a k 4 5


ほとんどの人は、「Aだけ」、あるいは「Aと4」と回答するそうですが、正解は、「Aと5」です。

私が前回「よ~く考えてみて下さい」と書いたので、じっくり考えて正解に辿り着いた人も少なくなかったかも知れませんが、一応、解説を。

ルールに沿って普通に考えれば、「A」をめくって裏が偶数かどうかを確認する必要があることは誰でも気づくと思います。

同様に、偶数である「4」の表面は母音かどうかを確かめてみたくなるのが人情(?)ですが、確認したいルールは「片面が母音なら裏は偶数」であって、「偶数の裏は母音」かどうかは決めていませんので、「4」の裏は母音でも子音でも良いわけです。ですので、あえて「4」をめくる必要はありません。

ルールの確認のためには、「片面が母音なら裏は偶数」というルールに違反、つまり「片面が母音だが裏が偶数ではないモノ」がないかどうかをチェックする必要があります。

「K」は子音ですが、子音の裏面についての規定はなにもありませんので、めくる必要はありません。

「5」は奇数ですが、仮に裏面が母音であった場合はルール違反(反証例)となって成立しないことになりますので、めくって確認する必要があるわけです。

(コメント欄で回答されたグリッティさん、おみごと!)


■「確証バイアス」による盲点

なぜ、正解できる人が少ない(「5」をめくることを考えない)かというと、人はなかなか「反証例をチェックすることに気がつかない」からなのだそうです。

件の本から引用すると、

『ルールで明確に述べられている肯定的な条件(これが正しいとすると、こうなる)の確証に注意が向けられてしまい否定的な反証情報をうまく利用できないために正解にたどり着けない。』

ということだそうです。

言いかえれば、人は「推察(このクイズの場合は"ルール")」が正しいであろうと予測してそれを確認することはすぐに思いつくが、「推察が間違っているかもしれない可能性」を予期するのは苦手、となります。

これが認知心理学で「確証バイアス」と呼ばれるものなのだそうです。

こう書くと、なんだか小難しい話に聞こえますが、下記にネット上で拾った「確証バイアス」の説明を列記しておきますので、ざっと目を通してみてください。誰もが思い当たるフシがあるのではないでしょうか?

下記の各々のリンク先には、身近な確証バイアスの事例が書かれているモノもありますので確認してみてください。

『確証バイアスとは、自分が聞きたくない情報を無視し自分の先入観を裏付ける情報を重要視してしまうことを言う。』(リンク1

『自分がもっている仮説を確かめようとする時には、その仮説に合致する証拠や材料を、より重視する傾向、認知の偏り』(リンク2

『個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという現象である。』(リンク3

『ある仮説を検証する時に、たくさんの情報の中からその仮設を支持する情報を優先的に選択して、都合の悪い情報を低く評価または無視してしまう傾向のことをいう。』(リンク4

『確証バイアスによって人は信念を獲得し、その信念を確証するものを探そうとする。一方、信念に反することがらを探すのではなく黙殺したり、あるいは低い価値しか与えなかったりもする。』(リンク5


歴史問題などは、その人の政治的イデオロギーや民族観や願望、感情が入り乱れますから、この「確証バイアス」は顕著に現れると思いますよ。

史実に近づきたいと思ったら、自分の中の「確証バイアス」を意識するのも良いかな、と体験的に思っています。そして、より冷静に客観的に考えるためにも。


■関連過去エントリ

歴史認識とだまし絵

 



■参考書籍

超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ (ブルーバックス)
超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ (ブルーバックス)菊池 聡

おすすめ平均
stars文系、理系の枠を超えて是非一読を
stars認知心理学の凄さと限界
stars超常現象を例に論理学をわかりやすく説明した渾身の一冊
stars懐疑論の基礎教養「誤信の認知心理学」における最高の入門書
stars体験はいつも正しいわけではない

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コメント

どうも

おー当たってた。
間違いやすいというふりがあったので慎重に考えたから、もしなかったら「A」「4」と答えてたでしょうね。
私バイアスかかりまくりですから。
「「人間ならば、誰にでも現実のすべてが見えるわけではない。
多くの人は見たいと欲する現実しか見ない。」 byカエサル
記事を読んで私の好きな言葉 ↑ を連想しました。
常に意識していたいです。

■グリッティさん

おみごとでした♪

えらそうにこのクイズを出した私ですが、実は正解できませんでしたw

でも、バイアスは誰にもあって、特にこの「確証バイアス」から人間は逃れられないそうです。体験から学び成長する生物として、むしろ必要な脳の働きなのだとか。

でも、これがあることを自覚すると、たとえば詐欺に引っかかりにくくなるとか、マスコミや誇大広告に騙されにくくなるとか、日常生活でもいろいろとメリットは多そうだと感じました。

イデオロギーの強い人が歴史問題をどう捉えているのか、などは、きっとこの「確証バイアス」が影響しているんだんぁって、思えます。

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