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南京事件を批判して自決した軍人がいた
大東亜戦争についての連載中(連載だったの?)ではありますが、1937年(昭和12)の南京事件について少しだけ触れておこうと思います。
南京事件については拙ブログで具体的に触れたことはまだありませんが、自分なりに勉強は進めているつもりで、否定派・肯定派両方の本も何冊か読みました。
南京関連本を数冊読んだ程度ですので、まだまだ「初心者にも満たないど素人」という自覚はありますが、それなりに見えてきた感はあります。
自分なりに色々書いてみたいことは沢山ありますが、まぁ、そのうち、ということにしておいて、今日は事件にまつわる話で紹介しておきたいものを見つけたので触れておきます。
「世界の片隅でニュースを読む」さんのところに『南京大虐殺を告発して「自決」した軍人』というエントリーがあります。
終戦後間もない1945年9月2日に自決した親泊朝省(おやどまり・ちょうせい)という高級軍人が書いた、『草莽の文』(そうもうの文)という遺書の中に、南京事件について言及した部分があるのだそうです。
一般に、日本人が南京事件について知ったのは東京裁判といわれているようですが、その東京裁判の前に、事件について軍人が語っていると言うことで、注目される遺書なのだとか。
拙ブログにおいてもその箇所を引用しておこうとおもいます。
軍の横暴・軍の専上と世に専ら叫ばれることに就いて、私は自ら反省して自らはずべきこと少からざるものあるを悟るのである。
例えば、満州事変・支那事変の発端の如き、現地軍の一部隊・一幕僚の独断により大命をないがしろにした様な印象を与え、満州事変以来みだりに政治に干与して、故らに軍横暴の非難を買うが如き態度を示したが如きはそれである。
また外征軍特に支那に於て、昭和十二・十三年頃の暴状は遺憾乍ら、世界各国環視の下に日本軍の不信を来したと云える。
即ち無辜の民衆に対する殺戮・同じ東洋民族支那人に対する蔑視感・強姦・掠奪等の結果は、畏れ多き事ながら、或る高貴の方をして皇軍を蝗(いなご)軍と呼ばしめ奉るに至ったのである。
斯くて皇軍の権威は地を払い、我が陸軍は海軍とも相剋対立を示すに至っては、官は軍を離れ、民も亦漸く軍を離れる次第となったのである。
「皇」という字に虫へんがつくと「蝗(いなご)」になるってことに、へぇーと感心しつつ、も、1937年の皇軍の実態はイナゴ同然、と当時の「或る高貴の方」が言ったというくらいだから、やはり相当に酷いものだったのでしょうかね。
親泊朝省氏が上記の部分を自分の体験・目撃を元に書いたのか、伝聞を元に書いたのかは調べてみないとわかりませんが、軍人がこういう不祥事があったことを把握していたことについて、「南京事件は東京裁判で捏造された」と思っている人は、これをどう捉えるのでしょうね。
これを読んで思い出しましたが、中国大陸での日本軍の行動についての報告を受け、「果たしてこれが皇軍か」と嘆いたのは、確か外務省の石射猪太郎だったかな?(ちょっとうろ覚え)
「世界の片隅でニュースを読む」さんのところでも書かれていますが、この「或る高貴の方」というのは、皇族で、かつ、戦後初の内閣総理大臣東久邇宮稔彦だそうです。戦後、「一億総懺悔」って言った人ですね。
ともかく、拙ブログでも以前触れたように、支那事変時の軍紀の乱れは相当問題があったということは、様々な証拠から間違いないようです。
ちなみに、私の勝手な想像ですが、引用した文章の中にある「蔑視感」は当時の日本の教育に、「掠奪」は「糧(食料)は現地調達」という日本軍の方針(徴発)に、そして「強姦」は幕末の尊皇攘夷運動のころからの伝統(?)に原因があるのでは?と思っております・・・って、最後のはちょとムリがあるか(苦笑)
話は逸れますが、今日12月17日は、松井石根司令官の南京入場式が行われた日でもあります。
12月13日の南京陥落からわずか4日後のことです。17日の入場式決定の連絡に、残敵がまだいるかもしれないのにその日程は無理だ、と現場は強く反対したものの、既に決まったこととして日程変更はされなかったようです。
「未曾有の盛事、敵の首都への皇軍の入城」という大セレモニーの時に、残敵による活動があってはいけない、ましてや上海派遣軍司令官・朝香宮鳩彦王中将の入城もあって皇族の身になにかがあってはいけないというわけで、17日の入場式挙行のために、残敵大掃討作戦がおこなわれたそうです。
この作戦は、南京城内のみならず近郊農村でまで及び、過酷なものであったとか。
また書き出すと止まらなくなりそうなので、今日はこの辺で。
続きのエントリーは以下になります。
・南京事件の「皇軍」に対する当時の日本人の嘆き
・南京事件論争についての私見
■参考リンク
・南京大虐殺を告発して「自決」した軍人(「世界の片隅でニュースを読む」)
・親泊朝省大佐
・親泊(おやどまり)大佐の自決
■参考書籍
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