近代日本動画資料室(当ブログ別館)ではすでに紹介済みの動画ですが、終戦記念日の今日にあわせて、日本降伏を伝えるアメリカのニュースフィルム(動画)を貼っておきます。
終戦記念日の映像というと、皇居の前で涙ぐむ女性の映像と玉音放送を連想する人が多いと思いますが、対戦国であったアメリカでは、この日はどんな様子だったのかということはあまり知られていないような気がしましたので・・・。
(右上の写真は、ニューヨークのタイムズスクエアで戦勝を喜ぶアメリカ人の大群衆です。)
下記の約10分の動画の最後の方にも、このニュースに大いに沸き上がるニューヨーク市街の様子が映し出されています。
このフィルムには、当時の節目となるニュース映像がまとめられており、戦争の経緯をダイジェストで見ることが出来ます。有名なシーンや重要人物が次々と現れます。
ところで、この動画をご覧になるとわかると思いますが、フィルムのスタートは意外なことに「真珠湾攻撃」ではなく、「満洲事変」です。満洲事変からはじまり、国際連盟脱退、支那事変、三国同盟締結と続き、真珠湾攻撃~ポツダム 宣言、受諾という流れになっています。

これは、「満洲事変から日本の暴走がはじまった」と、アメリカが認識していたということなのではないでしょうか?
満洲事変以降の日本は、外国から見れば、国際協調性がなく、好戦的でアジア侵略に歯止めがきかなくなった、「かなりヤバイ国家」として映っていたということではないか、と・・・。
昭和初期のことを勉強していてつくづく感じるのですが、当時の右翼・軍部には、言論や主張はともかく、「その行動が外国の目にどのように映るか?」という視点が著しく欠けているように思えます。その極めつけが日独伊三国同盟締結だったのでしょう。
「1945年8月15日・・・世界の平和と秩序を乱す外道のような国家が、やっと銃を置いた」・・・アメリカではそんな風に捉えられていたのかも知れません。
ともかく、1945年の8月15日は日本の長い歴史の中で、一番重要な日だと思います。この日に起きたさまざまな事 件や、戦争の総括、敵味方・軍民問わず戦死した方への想いや、日本によって苦しめられたアジア各国への想い、など、考えていなかければならないことは山ほどありますが、あの日までの日本はいったいどういう国だったのか、今後も真摯に見つめていきたいと思います。
東京湾のアメリカ第三艦隊と、焼け野原となった東京上空を飛行する米軍機
焼け野原となった東京の空撮カラー映像
■参考リンク
・Skylighters, The Web Site of the 225th AAA Searchlight Battalion: The V-J Day Page
・JAPAN CAPITULATES--Allied Fleet off Japan
・JAPAN CAPITULATES--Carrier Planes Patrol over Japan
・Victory 1945 - Veterans Affairs Canada
