今日、テレビを見ていて 久々に目頭が熱くなってしまったので・・・。
この先月の悲しいニュースを覚えていらっしゃる方も多いと思います。
「帰宅目前の悲劇、自転車日本一周の80歳事故死」
今日のNHK「クローズアップ現代」はこの自転車で日本一周のゴール目前に事故で亡くなられた、原野亀三郎さんの話でした。
事故のニュースを知ったときは、
「日本一周の大旅行のゴール目前で、なんという悲劇・・・」
「それにしても、80歳で自転車で日本一周にチャレンジするとは、なんて元気な爺さんなんだろう」
そのくらいの印象でした。
でも、今日、テレビを見ながら、
「80歳と言えば、戦争にも行っている世代かな? 戦争体験がある人がこういう大計画をするときは、だいたい、趣味や娯楽を超えた大きな目的があるんだよな・・・」
などと思っていたら・・・・・。
画面に映った原野さんの着ていたTシャツに書かれた文字を見て、「やはり、そうだったか」とわかりました。
(テレビからのキャプチャです。クリックで拡大)
見送る奥様が写したという後ろ姿の写真には、「祈念 平和 日本列島」の文字が。
テントや自炊用具など40キロの荷物をマウンテンバイクに載せての日本一周旅行。出発は去年の4月。
道中転倒して手首を骨折しても、一度は「ついに歩けなくなった。もう無理だ」と奥様に電話をするも、それでもあきらめずにペダルをこぎ続けた原野さん。
原野さんが宿泊されたという旅館の女将さんのブログから原野さんの言葉を引用させていただこうと思います。
「私は戦争のせいで青春がありませんでした。
多くの友人が戦死しました。彼らの青春は永久にありません。
残された私が青春を楽しまなかったら、あの世に行ったときに彼らにあわせる顔がないんです。
だから、今、青春をしてます。彼らが私と一緒に日本一周旅行を楽しんでいるのを感じながら走ってます」
でもねぇ、やはり辛いですよ。走るのは・・・。走りおわったっときに、楽しかったって思うんでしょうねぇ。
走っているときはちっとも楽しくなんてありません。人生も旅と同じですね。その時は必死に生きているから楽しくなんてないけど、後で思い返すと『あの時は楽しかったなぁ』なんて思いますから」
旅の途中に写した写真には、戦争の慰霊碑も多く写っていたそうです。
番組中で流れた、「友人にあてた手紙」より
願う。戦争の御霊と化せられし我が友。安らかにあれ。
現代社会に濫用されている平和。私は真の平和を願うのです。
日記に書かれていたという「出会った人へのメッセージ」
人生は、常に挑戦の姿勢で生きることだと信じています。
楽しく生きていくにも、喜びに満ちていくにも、考え一つで変わっていきます。
一歩前に進む勇気があれば、答えが自ずと、生まれてくるのではないでしょうか。
やはり80年生きてきた方の言葉は重いです・・・。
今頃は、戦友と再会して旅の思い出でも語っていらっしゃるのでしょうか。それとも若い頃の想い出話でしょうか。
「朝、目が覚めたら今日一日が青春」
元気をもらいました。
原野亀三郎さん、ご冥福をお祈りいたします。
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原野さんの言葉を引用させていただいた旅館の女将さんのブログ
・朝日館の女将のてんてこ舞日記 : 神様がお連れ下さったお客様
旅の途中に原野さんと出会った方のブログ
・Around The World 【日本-中国-モンゴル】 故 原野 亀三郎氏に捧ぐ
・原野亀三郎さん|吾寓(あぐう)の日々
原田さんの親戚の方のブログ
・亀おじさん、すごい人だったんだね - Vamos Ser Amigas! from NADARA
