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選挙とメディアリテラシー   

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ 最近つくづく思うのは、歴史の勉強をはじめる前に、溢れる情報に騙されないためのメディアリテラシー等の勉強をするべきだった、ということです。と、いうのも、色々な本やネットに溢れる情報に「自分はひょっとしたら騙されていたのかも?」という想いが強くなってきているからなんですが・・・。

いわゆる政治問題化している歴史認識は特にそうなのですが、まぁ、これは後日ゆっくり書くとして、今は参院選が近いので「選挙とメディアリテラシー」について、最近読んだ『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ』という本からから少し引用して紹介しておこうと思います。
初版が7年前なので、ちょっと古いところもありますが、なかなか興味深い内容ですので、今回は選挙と報道に関する部分を紹介します。
P.50~
出口調査や当確予想はゴミの域を脱したが、現在に至るまで正確さに欠けるのが数週間前から行われる当落予想である。

当落予想には、「当落線上」とか「接戦」、「あと一歩」と書かれた候補が有利になるとされる、いわゆる「アナウンス効果」の問題がある。 逆に「圧勝の勢い」などと書きたてられ、いざフタを開けてみたら二位スレスレだったりするのは、例えば自民党候補に当選数回の現職と新人の二人がいた場合、現職はまあ大丈夫だろうと、新人の方に票を入れたりする心理効果によるものと思われる。

こうしたことから、例えばフランスでは、投票日からさかのぼって一定期間はマスコミによる予想が禁止されている。

日本でも選挙予想を禁止する法案が話題に上ったことがあるが(「読売新聞」1992年5月30日)、マスコミ各社の猛烈な反対(「読売」5月31日/「朝日」6月1日/「日経」6月3日付けの各社説など)にあって挫折している。

政策などの報道は必要でしょうが、たしかに当落予想は投票行動に変な影響を与えそうですね。選挙予想禁止の法案がマスコミの反対によって挫折するところなど、いかにも日本のマスコミらしいという感じがします。

P.51~
1996年10月、NHKは「個々の政策や投票に関して、町の声を安易にインタビューすることは慎む」と発表した。

「街頭でインタビューした一部の声を放送すると、それが多数の意見のように受け取られるおそれがあるのではないか。世論調査できちんとした世論を伝える方が、より公正であると考えた」結果であるらしい(「朝日新聞(夕刊)」1996年10月12日)。

と ころが翌日の「天声人語」が、早速、これにかみついている。これはジャーナリズムの放棄だというのである。 一部のセレクトされた(5、6人の)街の声を、いかにも全体の意見であるかのように記事にするのを得意とする朝日新聞がかみつくのはよくわかる。「街の声」だけでなく、自分たちの意見を補強してくれる専門家たちについても同じである。

街頭インタビューについては、ネットでもたびたび話題になりますし、最近は週刊誌にも取り上げられたりしていますから、インチキ臭いことに気づいている人も多いでしょう。

しかしNHKが今から11年ほども前に上述のような発表をしていたことは知りませんでした。至極まっとうな意見表明だと思いますが、今はどうなのかな? 最近あまりテレビを見ていないので私はよくわかりませんが・・・。

さて、この本の著者で社会調査論の学者である谷岡一郎氏は、『世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである』と言い切っています。

本の中では誤った社会調査や報道の例などを、一部実名で批判していますが、おそらく反論不能なほど、科学的かつ論理的に喝破していて気持ち良いくらいです。 その中には私が普段からブログをチェックしている某新聞記者も含まれています。ぼーっと読んでいると、うっかり「なるほどねぇ」と思いこんでしまいそうな 文章でも、よくよく読んでみるとこんなにおかしなところがたくさんあるという例としてその記者の署名記事を引用されているのですが、目から鱗が落ちる思いで読みました。

残念ながら実名ではありませんが、選挙の当落予想について、アヤシイ人物を批判している箇所がありますので引用してみましょう。

P.53~選挙の当落予想というと決まってマスコミに登場してくる人物に、H大学のFなる教授がいる。 この人はテレビに出て「アナウンス効果が心配です」(日本テレビ1993年7月13日深夜~14日)などと指摘しながら、一番アナウンス効果を作り出している張本人である。彼は、1993年、次ページの表に見られるように、筆者が知るだけで3回も当落予想をしている。

この「次ページの表」というのは割愛しますが、週刊誌記事に掲載されたF教授の当落予想と実際の選挙結果をまとめたものです。予想議席数に±30のマージンをつけて書いているわけですが、実際の選挙結果との差がけっこう笑えます。


上下60議席も幅を持たせて、しかも3回も機会がありながら、一つも当たらないというのは見事なものである。その上、まるで競馬の予想よろしく、当選圏内は ◎とか当落線上は△とか印を付けて全選挙区を個別に予想するのは、学者としてモラル的に問題がある。この3回は筆者の切り抜いたものだけだが、新聞やテレ ビも含めると、他にも違う予想を垂れ流していたかも知れない。

上記は1993年の事例ですが、その後もF教授はまだまだ当落予想を止めなかったようです。
P.54~
で はF教授は1993年の大ハズレに懲りて選挙の予想を止めたかというと、一向にそのような気配はなく、1998年の参院選でも「自民党59±6(実際は 44)とか「投票率が40%を切るという予想もあります(実際は58.8%)」などと、大川慶次郎の競馬の予想以上に当たらない分析をしている。(「報知 新聞」1998年6月25日)。

こうなると、このような人物を起用するマスコミが悪いと言うしかない。

さて、この「H大学のFなる教授」とはいったい誰なんでしょうね? 今も懲りずに選挙予想をやっているんでしょうか?
ゴミを作り出すのは、本章で紹介した学者、官公庁、社会運動グループ、マスコミなどのほかに、「広告」や「一般人」にも多く見かける。

しかし「広告」というのは、そもそもが誇大に言ったり不公平なことを言うのが目的化しているので、悪いことは悪いが、しかたがない面もある。 要はそれに騙されない教育をすることである。

普段から政治に関心を持っている方にはあまり関係のないお話かと思いますが、投票する人物を決めるための情報入手はメディアに頼らざるを得ない人がほとんどでしょうから、この「騙されない教育」は必要かと私も思います。




■参考書籍

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ
谷岡 一郎

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ
文藝春秋 2000-06
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starメディアリタラシーの参考書としても秀逸です
starモヤモヤとしていた疑問に明快な解答を与えてくれた一冊。しかもオモシロイ。
star『リサーチ・リテラシーのポイズンピル』

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コメント

そういえば

 その昔、新聞、TVで与党過半数割れ必至とか、言うと大勝したりする傾向が有ったのを、漠然と記憶しています。
 今は、選挙の争点をマスコミが一生懸命に作ろうとしている所が見えますが、最近では、その逆手を取ったのが、小泉郵政選挙でしたね。
 あれは、普段世論を操作していると高をくくっていたマスコミ対小泉爆弾の戦いのようで、結構面白かったですが、多くの選挙民が、ニュースの表面の僅かな単語で動く事の証明でもありました。
 メディアリテラシーは、正に真実を如何に知るかと言うことでしょうが、マスコミの意図、作為を読む力が、真実を知る手がかりにはなります。
 ただ、意図や作為を読見過ぎるとまた、真実から離れてしまう。
 最後に信じる物は、自分しか無いと言ってしまえば、終わりでしょうか? 

ゴミ×ゴミ=マスゴミ

こんばんは。以前伊藤桂一氏に関するエントリにコメントを付けさせていただいた者です。お言葉に甘えて、あれからもちょくちょく遊びにこさせていただいてます^^
こちらのエントリでご紹介の本、たいへん興味深く思いましたのでさっそく読んでみましたが、実に痛快極まりない一冊でしたね!こちらでも引用されている一節
>日本でも選挙予想を禁止する法案が話題に上ったことがあるがマスコミ各社の猛烈な反対にあって挫折している。
というくだりは、読んでいて思わず吹き出してしまいましたw もっとも、自分は右寄りになりつつある人間で、左巻きメディアの提出するネタに対しては警戒するものの、右寄りのメディアが出す(ある意味聞き心地のよい)情報には迂闊に飛びついてしまうところがあるので、襟を正さねばならないと思うところしきりであります。「白書」の類などは完全に正しいものと決め付けて読んでしまう傾向がありますし。基礎体力としてリテラシーを養っておくということは、大事なことですね。
もうご存知かもしれませんが、「H大学のF教授」は検索にかけたらわりかしすぐ見つけることができました。いまでも「ムーブ!」等に(!)出演なさっているようですね。
愉快な本のご紹介、ありがとうございました。

追記

F教授ですが、本書の出版以降も好調に予想を外しつづけているようです(wikipedia参照)。もっとも、当たったケースも探し出して考慮に入れないと、それこそ「リサーチリテラシーに欠ける」と突っ込まれてしまいそうですがw

ちょうど・・・

先日出張の行き帰りにと久々に本棚からひっぱりだして来、ちょうどこの本を読んでいたところでした。
この本の具体的な事例もともかくですが、ものの見方ってのがものすごく参考になりますよね。
個人的にはこの社会調査のウソ自体を検証したい気持ちにもなりますけれども(笑)

tonoさん
マスコミの意図もそうなのですが、マスコミを利用してゴミをまき散らしている方にも要注意だと思います。この本を読めばわかるのですが、論理的におかしな調査であっても、それで国家予算が動いてしまう例さえ一つや二つではないようなのです。
「マスコミは突っ張っているようで権力には弱い」ってなコトも書かれていて、大学や調査機関のデータを鵜呑みにして垂れ流すことでもゴミはばらまかれるそうです。
歴史認識にしてもしかりです。
いかにまともそうに見えても、実際はアヤシイというコトに気づけるか・・・もう「最後に信じる物は、自分しか無い」と言いたいところですが、その「自分」さえ無意識のうちに物事を見る目にバイアスがかかっていますから信用なりません(笑)
そうとなれば、異論にも素直に耳を傾け、多角的客観的に見る力も養うことが大切かと。


vendrediさん
再度のコメントありがとうございます~。
もう読んだのですか!? 素早いですね^^

>自分は右寄りになりつつある人間で・・
私とは反対ですね(^^; 私はいま、頭の中で激しいパラダイムシフトが起きていて、右側から猛ダッシュで離れつつあります(笑)でも向かう先は左ではありません。「天」です(爆)
いや、天から見下ろすつもりで、歴史を俯瞰できたら良いな、という意味です(^^ゞ

「H大学のF教授」、まじでわからなかったんです。H大学・・・法政?とか。
でもvendrediさんのヒントを便りに見当つきました。「ムーブ!」は関東では見られませんが、「TVタックル」にもでていましたね。たしかに今でもよく外していますわ、福岡教授( ̄ー ̄∂)


>あいおう さん

をぉ~、ご無事でなによりです~♪
裏表紙の著者の温厚そうなお顔とは違って、少々過激な筆致ですが、実に参考になる良書だと思います。
私が一番気になったのは、「因果関係」と「相関関係」のところで、これを私の今の関心事に当てはめてみると、現代の問題点を自虐史観教育に結びつけたがる勢力の主張は本当に正しいのか?ってコトになります。
「自虐史観→現代社会の問題」という「因果関係」が存在するのか?ってなことなんですけどね・・・。これを書き出すと長くなりそうなので、後日エントリーに書いてみたいと思っています。

この谷岡一郎氏はつい最近にも「データはウソをつく」という本を出しています。内容的には「社会調査のウソ」と結構かぶっているところもあるのですが、うってかわって「ですます」調で(笑)、ところどころに引用されている、いしいひさいち氏の4コマ漫画がものすごくいい味出していますよ。
漫画のあるページだけなら立ち読みで十分堪能できます♪

仕事が落ち着いて、またブログを再開される日をお待ちしております。

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