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沖縄集団自決は軍の命令だったのか?座間味島の場合-4   


【このエントリーを読まれる方への注意】
これは、あくまでも座間味島に於ける梅澤裕さんと宮城初枝さんとの間の話です。極めて限定された場所と人物についての話であり、沖縄各地で起きた集団自決を物語っているわけではありません。
時折「沖縄集団自決訴訟」だけをとりあげ、梅沢隊長(座間味島)、赤松隊長(慶良間島)の命令の有無だけを取り上げ「命令はなかった」という論調を見かけますが、それはこの問題を著しく矮小化し歪めていることに留意してください。

沖縄戦における「集団自決」と「住民虐殺」の事例一覧

(2007/10/29追記)


このエントリーは、以下の続編となります。

- 沖縄集団自決は軍の命令だったのか?座間味島の場合-1
- 沖縄集団自決は軍の命令だったのか?座間味島の場合-2
- 沖縄集団自決は軍の命令だったのか?座間味島の場合-3

なぜ自決について「軍の命令があったかどうか」が、問題になるのか・・・。それは、戦没者の遺族や負傷した人に国からお金が支払われる「戦傷病者戦没者遺族等援護法」対象者の定義によります。(ご存知の方も多いと思いますが)
P.251~
1959年から、旧国家総動員法に基づいて徴用された者、あるいはそれ以外に軍の要請で戦闘に協力して死亡、または負傷した「戦闘参加(協力)者」に、”準軍属”という新しい枠が設けられて、結果的には20種のケースに適用されることになった。 沖縄関係では、「集団自決」、スパイ嫌疑で日本軍に殺害された人、義勇隊参加、陣地構築、食料供出、壕の提供、道案内、勤労奉仕などによる負傷者や、死亡者が含まれた。

つまり、一般住民の死者達に対して、単に砲弾にあたって死んだり米軍に殺されたりした人には補償がなされないが、「日本軍との雇用関係」にあって亡くなったり、負傷した人には補償されるという法律である。したがって、この戦争で亡くなった非戦闘員の遺族が補償を受けるには、その死が、軍部と関わるものでなければならなかった。

その結論を得るまでの作業として、まず厚生省による沖縄での調査が始まったのが1957(昭和32)年三月末で、座間味村では、四月に実施された。役場の職員や島の長老らとともに国の役人の前に座った母は、自ら語ることはせず、投げかけられる質問の一つひとつに、「はい、いいえ」で答えた。そして、「住民は隊長命令で自決をしたといっているが、そうか」という内容の問いに、母は、「はい」と答えたという。

なぜ、宮城初枝さんは、「はい」と答えてしまったのでしょうか? 上記引用文で青文字で記した「島の長老」が関係あるように思います。それは、下記のような背景があったからです。
P.250~
貧しいながらも住民の生活が落ち着きだした1957(昭和32)年、厚生省引揚援護局の職員が「戦闘参加(協力)者」調査のため座間味島を訪れたときのこと。母は島の長老から呼び出され「梅沢戦隊長から自決の命令があったことを証言するようにと言われたそうである。
母が、梅沢戦隊長のもとへ出かけた5人(助役兼兵事主任・宮里盛秀、収入役・宮沢正次郎、国民学校校長・玉城盛助、宮平恵達と母の5名)のうちの唯一の生き残りと言うことで、その場に呼ばれたのである。
母はいったん断った。しかし、住民が「玉砕」命令を隊長からの指示と信じていたこともあり、母は断れずに呼び出しに応じた。

島の長老と同席していたので、宮城初枝さんは「はい」と答えざるを得なかったということだったのかも知れません・・・。

補足しますと、「梅沢戦隊長のもとへ出かけた5人」というのは、梅澤隊長のところに自決用の弾薬をもらいに行った、上記5人のグループのことです。その5人と梅沢隊長との当時の会話の中で、「自決命令」があったかどうか、というのが争点のひとつです。

当時を知るのは、梅澤裕元隊長と、5人のうちの唯一の生き残り、宮城初枝さんの二人だけです。その宮城初枝さんが、梅澤裕氏に直接面会し、「あなたが命令したのではありません」と告白し、手記も残している。その手記は、娘の宮城晴美さんが受け取り、直接の説明も初枝さんから受けている。

梅澤氏は「自決命令」は出していなかかったという、これ以上の証拠はないのではないでしょうか?

さて、ここで気をつけたいのは、座間味島で厚生省職員が調査を行ったのが1957年、しかし、「戦闘参加(協力)者」に補償を適用するのが決まったのが1959年ということ。つまり島の長老が、宮城初枝さんに「梅沢戦隊長から自決の命令があったことを証言するように」と言ったのは、「戦闘参加(協力)者」に国の補償が支給されると決まる以前のようなのです。

1957年時点で、補償が出るかどうかという話があったのかどうかは、詳しく調べてみないと分かりません。しかし、もし、当時、補償の有無が話題となっていなかった場合、島の長老は、補償が欲しくて初枝さんに「命令があった」と証言するように指示したわけではないことになります。そこには沖縄住民の戦争に対する複雑な感情があるのかもしれません。
P.250~
米軍に保護された住民にとって、それまでの「兵隊さん」は、いつしか「日本兵」という”敵”に変わっていた。住民は、すっかり”親米派”になっていたのである。「お国のために」と信じ、日本軍と行動をともにしてきた私の母・宮城初枝も、大けがをして投降したものの、島の人たちからあらぬ噂を立てられ、日本軍に加担したとして批判の的にされていた。

沖縄に限らず、「鬼畜」と信じていた米兵が日本に駐留しはじめると、意外にも普通の人間で、時には優しさも見せることが、日本人の戦中・戦後の価値観の大転 換をもたらしたのでしょうね。ひょっとすると、島の長老も、単に「日本兵憎し」で、自決命令があったと、初枝さんに証言させた可能性もあるかもしれません・・・。

そして、実際に補償が支払われるようになると、真相を明らかにすることが極めて難しくなります。櫻井よしこさんのブログにも『初枝さんはこのあと、「国の補償金がとまったら、弁償しろ」などの非難を浴びた。』と書かれていましたね。

戦後の価値観の大転換は、もちろんGHQの狙いが成功したことも大きいでしょう。マッカーサーは、日本の子供達にチョコレートやチューインガムを配るように 指示したりする一方で、米兵による日本人レイプ事件は、「大きな男による事件」と書かせるような報道規制・隠蔽を行ったり、と、アメリカが日本人から好感を抱かれるような様々な政策を実施したわけですから。

しかし、だからといって、日本のため、国のために命をかけて戦ってくれた人たちを敵視するのは、あきらかに行き過ぎだと思います。元日本兵達にしてみれば、こんな不条理はないでしょう。

梅澤裕氏は、すでに御歳90歳。渡嘉敷島で自決命令を出したとされている赤松嘉次氏はすでに鬼籍に入られています。住民に自決命令を出した、「悪魔のような日本兵」と糾弾されたままお亡くなりになっているのです。
一日も早く、真相が日本の国民に明らかにされることを願わずにはいられません。
(次回に続きます)

Battle of Okinawa 2 沖縄戦 2(4:39)
※下の動画には、惨いシーンがありますので視聴にはお気をつけ下さい。




余談ですが、櫻井よしこさんのブログ記事中の間違いを見つけました。大江健三郎が受賞したのは「ノーベル平和賞」ではなく、「ノーベル文学賞」ですね。

■参考blog、WEBサイト
「 沖縄集団自決、梅澤隊長の濡れ衣 」 櫻井よしこブログ
沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会

■参考書籍
母の遺したもの―沖縄・座間味島「集団自決」の新しい証言
宮城 晴美

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コメント

早速朝日は

これについての朝日や岩波は、早速彼らが問題にした「軍命令」を、
「軍の強制」という言葉に変えてきていますね。
我々はあくまでも「命令」があったかどうかが問題であることを指摘
しなければなりません。でないと又慰安婦のように「広義の強制性」に
すりかえようとしています。

>小楠さん

おはようございます。
今回の教科書検定に反対している人達は、みな、「広義の強制性」に論点をすり替えようとしていますね。多くのブログで同様の意見も目にしました。
「事実を矮小化するのが歴史修正主義者の常套手段」とする人もいますが、新たな事実が出てきたのなら、修正は必要で当然のことだし、対立した説の一方のみを事実のように教科書に載せることの方が問題ですね。冤罪は冤罪ではらしていく必要があります。
「事実を矮小化するな」というのは、命令を出したとされた人の冤罪とは論点がまるで違うわけですが、それはそれで一理あり、何故集団自決が起こったのか、それほどまでに軍・国家の強制力が国民に及んでいたのかどうかは考察が必要だと思っています。
いずれにしても、元日本兵の冤罪と、集団自決の発生原因は分けて考える必要があるでしょう。

きっちり書いて頂きました。

 ありがとうございます。
>ここで気をつけたいのは、座間味島で厚生省職員が調査を行ったのが1957年、しかし、「戦闘参加(協力)者」に補償を適用するのが決まったのが1959年ということ。
・この時系列は、恥ずかしながら知りませんでした。

>ひょっとすると、島の長老も、単に「日本兵憎し」で、自決命令があったと、初枝さんに証言させた可能性もあるかもしれません・・・。
・無いとは言えませんね。
 ただ、
>島の長老は、補償が欲しくて初枝さんに「命令があった」と証言するように指示したわけではないことになります。
・これは、個人的には厚生省の役人の方が自虐史観に染まりやすい環境にあった時代だと思いますので、「島民への善意」又は「日本軍憎し」又はその両方の可能性も強いと思われます。
 さらに、調査目的は知っていますし、先に長老と会うのも自然でしょうから、この場合は恩給は出ない、この場合は恩給が出ると具体的な説明ではなくとも、ある意味誘導されて、困窮の中で長老が島民の為に決断したことは十分考えられます。
 宮城初枝さん自身もそう言う思いを長老から伝えられたと考えるのも自然ではないでしょうか?
 とすると『梅沢戦隊長から自決の命令があったことを証言するように」と言われた』とは、そう言う事情を含んでのことではないか推測します。
 

この宮城さんにしても、守備隊長にしても、または島の長老にしてもいささか憎めないところがありますな。
宮城さんは虚偽の証言をしたけれども、それは長老や島のみんなのために、そして戦後の生活の安定のため。守備隊長はかつて一緒に戦った島民のために。長老もやはり島の住民のために。

「戦傷病者戦没者遺族等援護法」対象者の定義を知った時(多分、新聞を読んで)、正直「あ~、なるほどそういうことか」とピンときましたね。
集団自決の背景には、これがあったんだと。
それにしても、許せんのは戦後のマスコミの報道手法。悪意に書きたて、そして国民をある一つの日本軍像を植え付けていったんじゃないでしょうかね。

宮城さんは、よくぞ真実を遺してくれた。と率直に思いましたね。こういう証言は非常に大事にしなければならない。
少なくとも、我々が今まで思い込んでいた事実とは、悪意の感情も含めて、異なっていることは確かである。
まさにその時、その場所、その情景を目の当たりにした宮城さんの証言が真実か、それとも我々が学校で教わった歴史が真実か。わかりきったことでもあるが。

元日本兵だった私の爺さんも、きっと誰かにわかってほしくて、幼い私に自分が戦争に行った話をしたんだと思います。
大人になった今、そうな気がしてなりません。

>tonoさん
コメントありがとうございます。

実は今日色々調べていたら、新たに分かったことがあります。

>困窮の中で長老が島民の為に決断したことは十分考えられます。

tonoさんの推測が当たりのようです。
自分のエントリーを読み返してみると、下記の部分の印象が強かったためか、話の流れをそこに持っていくことが頭の中で先行していたようです。
「米軍に保護された住民にとって、それまでの「兵隊さん」は、いつしか「日本兵」という”敵”に変わっていた。」

このエントリーは、ちょっと反省しております。次のエントリーで訂正しますね。御意見ありがとうございました。

>くわっぱ上等兵 さん

>それにしても、許せんのは戦後のマスコミの報道手法。悪意に書きたて、そして国民をある一つの日本軍像を植え付けていったんじゃないでしょうかね。

結局、問題はそこなんですよね。「自決命令があった」ということが、政治的に利用されセンセーショナルに扱われることで、言葉が一人歩きして、当事者が苦しむという構図ができてしまいます。

>宮城さんは、よくぞ真実を遺してくれた。と率直に思いましたね。

戦後の苦悩、そしてようやく梅澤氏に告白したあとも思わぬ展開になって、亡くなる直前まで24歳の時の経験が尾を引いていたようです。その心労たるやいかばかりかと、思わずにはいれらません・・・。

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