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終戦前の日本から学ぶべきは何なのか-1   

前回の予告通り「日本史から見た日本人 昭和編」からご紹介しようと思いますが、私はこの本には前書きの部分から引き込まれました。
P.8~
戦後ずっと私の頭を離れなかった「昭和史の謎」とは何かといえば、どうして日本人は日露戦争の時代から見ると、あんなにも外交下手になったのか、また非統治能力を失ったのか、ということであった。
それは日本が驕慢になったからだ、とも言えるが、当時の日本のリーダー達だって、日本と英米の国力の差ぐらいは知っていたはずである。
第一、海軍が反対だったというのに太平洋で戦争が始まったというのもおかしい。要するに、明治や大正のことは政治も軍事も、一応理解できるのだが、昭和となると、訳のわからないことが多すぎるのだ。どうして陸軍中佐や大佐(今の一佐や二佐)ぐらいの軍人が出先で戦争を起こすと、その上の軍人も首相も、それを抑えることができなかったのか。

言われてみればその通りで、よく言われる「軍部の暴走」を抑える力がどこにも見えてこない、「なぜなんだろう」というのは素朴な疑問として持っている方も多いかもしれませんね。それに対し著者の渡部昇一氏は次のように結論を出しています。
そんな疑問を四〇年間も頭の中でこね回しているうちに、日本がおかしな行動を取り出すのは昭和五年-私の生まれた年-を境にしていることに気づいた。では、昭和五年に何があったか。
統帥権干犯問題があったのである。軍のやることを政府が抑えることができなくなったのだ。日本はこの年を境にして、ダブル・ガバメント(二重政府)の国となる。
しかし、変ではないか。昭和五年までは、日本は決して二重政府ではなかったのだから。
統帥権干犯問題」・・・「統帥権」とは、軍を統括する能力を行使する権利で、「干犯」とはその権利を侵すことですね。
では、どうして統帥権干犯問題が起こったかと言えば、明治憲法には統帥権は天皇直属と書いてあるからである。つまり、軍は政府の下にあるわけではないというのだ。軍が政府から独立しているなどという話はおかしいし、昭和五年までは、そんなことを問題にすることもなかった。しかし、そんな解釈ができるような条文があるのなら、明治憲法が悪いのではないか。
そう思って明治憲法を読んでみたところ、驚くなかれ、明治憲法には首相(総理大臣)という言葉もなければ、内閣という言葉もない。あるのは国務大臣だけである。つまり、明治憲法は行政府についての明確な規定のない欠陥憲法だったのだ。
では、その欠陥がなぜ昭和五年まで表に出てこなかったのか。それは明治憲法を制定した人や、その制定趣旨を直接に耳で聞いた元老達が生きている間は、当初からの慣習が生きていたからである。そうした元老が死に絶えた頃になって、欠陥憲法の条文が独立横行し始める。統帥権は憲法に明確に規定されているのに、首相は憲法に基礎をおかず、単なる官制に拠るに過ぎないとすれば、首相は軍を抑えることができない。
ここまでは日本国内の問題でして、さらに悪いことに外部からの圧力という要因も加わり、あの戦争に突入してしまったというわけです。この外部の圧力について、著者は「アメリカの日系移民排斥問題」、「アメリカのホーリイ・スムート法をきっかけとした世界大不況とブロック経済圏」、「支那大陸の排日・侮日運動による非帝国主義的な幣原外交の終焉」としていますが、この話は第二章で出てきます。

次回は、明治憲法の欠陥と統帥権干犯問題について、より詳しい部分を引用してご紹介しようと思います。また、ちょうど「溶解する日本」さんが昨日のエントリー「 帝国憲法と解釈改憲、その今日的教訓」で触れていらっしゃいました。

「統帥権」、僕にとってはこれこそが「我々自身が我々の頭で反省すべき戦前」の根っこ
私も、この本を読み進めるうちに同じ思いを強くつつあります。
なぜそう思うのかは、今後のエントリーに記していこうと思います。また「溶解する日本」さんのエントリーも合わせて読んでいただくと興味深いと思います。

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日本史から見た日本人 昭和編―「立憲君主国」の崩壊と繁栄の謎
渡部 昇一
4396312024
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コメント

http://blog.livedoor.jp/tarotohachinosu/
実際にあった外務省からの電話の話が書いてあります。一読されてみては?

>"国家とは"さん(9/25にコメントいただいた"イメージ"さん)

私のエントリーへの反論であってもコメントは歓迎しますが、ご自分のブログの宣伝にこの欄を使うのはお断りします。

他のブログ(主にFC2ランキング参加)のコメント欄でも、別人がご自分のブログを推薦しているように装って書いておられますが、次に同じ様なことをなさった場合は、以後「たろと蜂の巣」さん関連のコメント等はSPAMと見なします。

統帥権

おはようございます。
当時の日本軍部の勢力拡大の原因となった統帥権の解釈問題ですね。
軍部が皇道派、統制派でお互いに争いだしたりと、このあたりは大変微妙な時期だったのでしょう。

おはようございます

>小楠さん
最近、小楠さんの所にコメントしてなくてすみません。(でもアップされたエントリーは必ず拝読させていただいています。)

本日から紹介なさっている近衛文麿の本もいずれ読んでみようと思っていた本ですので期待しております(^^)

統帥権問題→軍部の暴走は良く言われることですが、なぜ統帥権問題が起きたのかを追及したこの本は初めて読んだので、とても興味深かったです。

歴史から学ぶべきは「軍部が暴走したから悪かった」ではなく、「なぜ軍部の暴走を停められなかったのか」だと思うようになりました。

「溶解する日本」さんも危惧されているように、憲法の解釈を変えたり拡大したりするのはリスクが大きいと感じています。

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