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週刊 『昭和タイムズ』がやっと昭和初期へ   

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「週刊○○○○」などでよくTVCMをやっているデアゴスティーニ(DeAGOSTINI)社が現在刊行中のシリーズの中に、 『週刊 昭和タイムズ』というのがあります。

私のような歴史のド素人が当時の世情を簡単に把握するのにはとても重宝 しています。

昭和時代の1年単位に一冊という構成で、毎週発刊されているのですが、どういうわけか発行順序が年代順ではありません。第1号が昭和39年、第2号が45年、第3号が34年・・・という感じ。


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最近購入した本   

冬にまとめ買いした本をまだ読み終わっていないにもかかわらず、またもやまとめ買いしてしまいました・・・。
これで当分の間、書店立ち入りを自己規制・・・・そうしないとまた衝動買いしてしまうから(笑)

とりあえず今回購入した本を紹介しておこうと思います。

短いコメントを入れていますが、未読状態で書いているため、もちろん私の勝手な内容予測です。


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[書評]吉田茂の自問―敗戦、そして報告書「日本外交の過誤」   

51TJVZ0AGVL10回にわたって転載を続けてきた55年前の外務省極秘文書「日本外交の過誤」が掲載されている『吉田茂の自問―敗戦、そして報告書「日本外交の過誤」』について、最後に書評を書いておこうと思います。

まず、本のタイトルについて。
「吉田茂の自問」とあるので、吉田茂について書かれたものと思わされがちですが、この本に戦前の日本外交についての吉田茂の意見は一切登場しません。



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GHQカメラマンによるカラー写真   

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前回、戦後について少し触れた時に思い出した本を紹介。

「GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン 」という写真集の普及版が1月にでています(右写真)。

もともと、昨年に「GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン 」、とその続編が大型本で出版されていて、買おうかなぁと思っていたのですが、1冊5千円弱という値段を見て断念していましたw



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[書評]「ラジオの戦争責任」 坂本慎一著   

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先日立ち寄った本屋で見つけて、思わず「あ!」 と言ってしまいそうになった本の書評です。

なぜ、そう思ったかというと、戦前にラジオが世論形成にどれだけ影響力を持っていたかということについて、すっかりノーマーク、盲点だったからです。

戦前の日本の国内世論は、戦争を支持もしていましたし、協力もしていました。なぜそうだったのかということに私はずっと関心があって、例えば新聞はどうだったか、とか、教育の影響は?、言論統制の影響は?・・・ということばかりに気を取られていました。

いや、それは私ばかりではないと思います。


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[書評]「[真珠湾]の日」 半藤一利著   

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昭和16年11月20日から真珠湾攻撃の翌日12月9日までの期間を描いたノンフィクションです 。

描かれているのは日米交渉が決裂にいたる直前の外交の様子から、開戦直後までの日米、およびイギリス、ドイツ、タイなど、「真珠湾の日」の日本の行動に揺り動かされたありとあらゆる場所と人物の証言や行動です。

登場人物も数え切れないほど多く(おそらく100人くらい登場するのでは?)、日米交渉に当たっていたハル国務長官、野村・来栖両大使から、ハワイの電報配達の少年まで、当時の資料を細大漏らさず集めて、時系列に並べ同時並行的に描かれていました。

12月7日から8日かけては、1時間刻みで各現場の様子を記しているので、まるでドラマ「24 -TWENTY FOUR-」を見ているような感じです。


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今年読んだお薦めの本   

2007年は、自分にとっては今までの人生で最も多くの本を読んだ一年となりました。
(いったんハマると止まらなくなってしまう性格なのでw)

本年最後のエントリーとして、今年読んだ本の中から、お薦めの本を紹介してみようと思います。

といっても、歴史関係の本は、人それぞれの前提知識によって理解しづらかったり、簡単すぎたりして評価がばらついてしまうと思うので、歴史関係以外の本をピックアップすることにしました。

というわけで、拙ブログのもうひとつのテーマであるメディアリテラシーの勉強に役立ったと思う本を紹介します。

とくに、誰が読んでもわかりやすい文章で書かれているという点を重視して選んでみました。


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日本と外国の価値観の違いの例   

昨日のエントリーでイギリス人の価値観と言うタイトルを付けましたが、それで興味深い話(本)を思い出したのでご紹介しておこうと思います。

日本人はなぜ日本を愛せないのか
鈴木 孝夫
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外国のものはみなすばらしいとつい考えがちな日本人の弱点を気づかせてくれる本なのですが、この中に日本では映画「南極物語」でも有名な、タロ・ジロの感動的な実話を、イギリス人はどう捉えるかという話が出ています。

P.20~
戦前に日本に北イギリス人はみな、日本人が自分の家で産まれた不要な子犬を、箱などに入れて橋のたもとに捨てる当時の習慣に対してひどく怒ったものです。可哀想だからというわけではなくて、要らないのならなぜ殺さないのかと言うことです。
(略)
昭和33年に日本の第二次南極観測隊が、気候の急変で基地から大急ぎで引き上げなくてはならなかったとき、たくさんのカラフト犬まで運ぶ余裕がなくて、やむを得ず犬を氷原に置き去りにしたまま帰国しました。隊員達は後を追う犬たちを泣きながら振り切り、来年また来るまでどうか生きていていてくれよと、祈る気持ちで基地を後にしたのです。
ところが翌年の一月に再び基地に戻った隊員達は、残された15頭の犬のうち、タロとジロの2頭が生存しているのを発見しました。この話は国語の教科書にも載ったほど、日本人にとっては感動的なことだったのです。
しかしこのことを知ったイギリス人の間では、犬を南極の氷原に置いてくるなんて日本人とはなんと残酷な民族か、今後はイギリスの犬をこんなひどい国に輸出することは中止すべきだという日本非難の大合唱が起こって、一時は英国の国会でも取り上げられるほどの騒ぎになりました。

ところがその後、今度はイギリスの調査隊が同じ南極で、なんと単に経済的な理由だけで100匹ものハスキー犬を殺すという事件が起こったのです。私は1979年の冬、ケンブリッジ大学に滞在していたとき、英国の高級新聞「ザ・タイムズ」を調べていて、次のような小さな古い記事を見つけたんですよ。

百匹のハスキー犬、経済的措置として殺される
百匹のハスキー犬が経済上の理由で、英国南極調査隊員の手で殺されたことが昨日発表された。大部分の犬はストニントン島の基地が閉鎖されるときに射殺された。
(中略)
基地の閉鎖は調査隊が経費削減のため、犬による輸送を減らし、変わって移動車を使うことに決定したためである。
(中略)
調査隊の人事係のエリック・サモン氏は「犬を殺すのが一番経済的だ。犬を他の場所に移すことは現実的ではない」と語った・
(1975年5月19日)


私が重要だと考える点は、このような「ひどい」事件に対して、イギリスの愛犬家達からは、全く非難や抗議の声が上がらなかったと言うことです。それは彼らの考えでは、このような場合の措置としては犬を殺すのが当然だからです。

要は、「残酷」という概念が正反対ともいえるほど違うという一例ですね。

他にも、フランスの飼い犬がやたら吠えることがなくとても行儀がよいので、一体どんな躾、育て方をしているのかと思ったら、躾てもだめな子犬、飲み込みの悪い子犬はどんどん淘汰する、つまり殺してしまうから、その結果として飼われている犬は人間の言うことを聞く行儀のいい犬だけが残っているという話もでています。

そういえば先日、中国でもこんなニュースがありましたね。
イヌ5万匹を処分、狂犬病予防で 中国・雲南省

もう、価値観が違うのだから仕方ないと思うしかないのかもしれません。。

牧畜で生活してきた民族は、動物を人間の意のままにコントロールするのが当たり前と考えるのに対し、日本人は農耕と漁業(つまり、そこにいる魚を捕まえるだけ)で生活してきたので、根本的に考え方が異なるということもあります。

とにかく、日本人はその地理的特性から他国に比べるとかなり特殊な価値観を持った民族といえるということです。
だから、外交下手なんですよ、どうしても・・・。

この本ですが、改めてページをめくってみて多くの日本人が認識しておいた方が良いなと思う箇所がいくつもありましたので、次回もご紹介したいと思います。

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読書レビュー:日米開戦の真実   

久々に読書レビューです。今回の本は、近代の日本とアジアを知りたい人、そして日本は過去の歴史から何を学ぶべきか、どのように今後に生かしていくのかを考えるのには是非ともおすすめです。私自身の歴史認識も新たとなり、大変すばらしい本に出会えたと感じています。

日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く
佐藤優
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簡単に内容を紹介しますと、開戦直後の1942年1月に発売された大川周明のベストセラー「米英東亜侵略史」の内容と、現在起訴休職中の外交官である佐藤優氏がそれに対する解説を加えたものとなっています。

元ネタとなった「米英東亜侵略史」は1941年12月にNHKラジオを通して行われた大川周明による講演内容を速記したもので、当時の政府が戦争の目的とそこに至った経緯を国民に対して冷静かつ論理的に説明したものです。佐藤優氏も触れていますが、日本国民は軍閥にだまされて戦争に突入したのではなく、対米戦争に踏み切った大義名分があり、決して扇動などではなく客観的事実に基づき冷静かつ論理的に説明していた事実がよくわかります。

日本がなぜアメリカと戦争するに至ったのか。ハルノートやABCD包囲網などの話はいろいろなところで見聞きできますが、大川の講演では、もっと大局的に歴史の流れと世界情勢をふまえて説明しています。アジアの国が西洋によっていかに蹂躙されていったかを論理的に説明されているので、まるで宇宙から地球を眺めているかのように客観的にアジアの歴史を理解することができます。日本が対米戦争に踏み切った大義名分を解説する本のタイトルが「米英東亜侵略史」となっていることからもそれが想像できるかと思います。

また、この本の約半分を占める佐藤優氏の解説は秀逸で、引用される文献も非常に豊富であり、読者の理解を助けるものとなっています。所々に佐藤氏の私見が述べられていますが、筆者の私見であることを明記し、そう思う理由を理論的に記していますので理解しやすく、読んでいて唸らされることもしばしばでした。

全体を通してこの本には戦争が良い悪いとか、自衛か侵略かといった次元の話は出てきません。
民族・哲学・思想・外交といった観点で歴史を見つめ直すこと、そしてそこから日本は何を学ぶべきかを示唆することに主眼がおかれています。最後の方では現代の日本、小泉政権から新自由主義者の象徴としてのホリエモンにまでにまで話が及びます。

とにかく勉強になることがたくさんあって、私にとっては買ってよかった、そしてまた読み返したくなる本となりました。近現代史を勉強していてどうしても理解し難かった中国との戦争についても、「そういうことだったのか!」と納得することができました。

長くなってしまいそうなので、今日のエントリーはこのあたりでいったん締めますが、またこの本については時々触れていきたいと思っています。

参考になったと感じられたら、是非クリックを<(_ _)>
   

読書レビュー「日中戦争見聞記 1939年のアジア」-1    

「日中戦争見聞記 1939年のアジア」を読み終えたので、印象に残った部分を引用しながら感じたことを書いてみたいと思います。ただ、印象的な箇所がとても多く、当時の日本や中国の様子を知るには貴重な本ですので、数回に分けてエントリーすることにします。

まずは、「一億人の百年計画(p.62~67)」の章から

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レビュー『「満州国」見聞記」リットン調査団同行記』   

右側コラムに貼ってあった「今、読んでいる本」の『「満州国」見聞記」リットン調査団同行記』を読み終わりましたのでレビューを書いてみようと思います。

「満州国」見聞記―リットン調査団同行記
ハインリッヒ シュネー Heinrich Schnee 金森 誠也
4061595679


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レビュー「日本人は永遠に中国人を理解できない」孔健 著   

日本人は永遠に中国人を理解できない 日本人は永遠に中国人を理解できない
孔 健 (1999/01)
講談社

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かの孔子75代直系子孫の孔健氏の著作です。
孔健氏は中国画報社日本総代表、チャイニーズドラゴン新聞編集主幹であり、日中を何度も行き来して日本語も達者です。ときどき日本のテレビにも出演していますね。

1996年刊行で1999年に文庫化、私が手にしたのは2006年3月3日の第20冊ですから、それなりに売れ続けている本なのでしょう。タイトルもちょっと過激で目を引きますし、ビジネスで中国に関わる人や、私のように何であんなに日本を嫌うのか知りたくて手にする人が多いのでしょうね。

中国人の価値観や行動がいかに日本人と違っているかを知るには、悪くないかなとは思います。
何千年もの間、戦乱と貧困の中で生活しているせいか、自分が生きていくのに精一杯、多少の公私混同は当たり前、袖の下を使おうがなにをしようが生きる為ならなんでもあり、という価値観の中国人と日本人の価値観がすれ違う事例が沢山紹介されています。

ただ、読んでいてどうしてもひっかかるのが、中国人の考え方を日本人は「理解できない」「理解しようとしない」という批判が随所に出てくることです。
確かに日本でしか生活したことのない人なら、彼らの価値観や考え方は想定不可能と言っても過言ではないでしょう。でも、それはお互い様なんですよね。

最後の方になってくると、日本人批判がどんどん強くなってくるので、つい「中国人も日本を理解できていないし、理解しようともしないじゃないか!」とツッコミたくなります(笑)

そう、靖国参拝問題で「人民の感情を傷つけた」と言うだけで、日本人がどう考えているか、日本人の死生観が中国とどう違うのかを理解しようとするそぶりさえ見えない中国人的な価値観がこの本には満載と言っていいかもしれません。

孔子の直系子孫といえども、やはり日本を格下に見ている「中華思想」なんだな、と感じました。






まだ中身がないBlogですが、気が向いたらどうぞ(^^ゞ